KURUTOの月報#09はじまりの日と、これからを考える日々のこと。


2025.08.29

月5日、KURUTOは無事にオープンの日を迎えることができました。少しずつ整えてきたこの場所に、ようやく人が集い、ものが並び、会話が生まれ、ようやく「始まったんだな」と実感する日々です。今月の月報では、そんなKURUTOのオープン直後の様子と、今後の予定についてお届けします。

8月5日、KURUTOは無事にオープンの日を迎えることができました。
初めてのことだらけで、手探りの毎日ではありますが、来てくださる方の言葉や笑顔に、私たち自身が元気をもらうような時間が続いています。少しずつ整えてきたこの場所に、ようやく人が集い、ものが並び、会話が生まれ、ようやく「始まったんだな」と実感する日々です。

ここが、誰かの気持ちがゆるむような場所であったり、ちょっとした刺激になる場所であったりしたらいいなと思いながら、一歩ずつ歩んでいます。
今月の月報では、そんなKURUTOのオープン直後の様子と、今後の予定についてお届けします。

ついにKURUTOがオープン

8月5日、KURUTOがオープンしました。
まだひと月も経っていないのに、なんだかもうずいぶん前のことのようにも感じています。

前日の8月4日には、関係者や(store)でお取り扱いしている作り手さん、メディアの方々をお招きして、ささやかな内覧会を行いました。from the farm KYOTOの高橋さん、chabashiraの杉山さんにケータリングをお願いし、KURUTOを立ち上げるに至った背景や、これからの展望などをお話しする時間も設けました。

場としてのKURUTOを一足先に体験していただけただけでなく、作り手さん同士が自然と言葉を交わしている様子も印象的で、とてもあたたかい時間になりました。

その後の8月7〜9日には、オープニングイベントを開催。5日間で約500名の方にお越しいただき、KURUTOという場が、思っていた以上にたくさんの方に届けられていたのだと実感する時間になりました。

イベントの中で見えた課題もありました。 隣接するスペースを一体で使うときの見え方の難しさ、導線のわかりづらさ、出店いただいた方の満足度をもっと高めるにはどうすればよかったか。 でも、そうした気づきや反省も含めて、KURUTOという場所を良くしていくことそのものが、私たちが今後、よりよい企画や設計につなげていくための学びなのだと、あらためて感じています。

設計した場所を、自分たちで使ってみるということ

私たちは設計事務所として、これまで多くの場所をつくってきましたが、実際に「自分たちでその場を使う」機会は、意外と多くありません。
しかも、自社オフィスや住宅のような半分プライベートな場ではなく、シェアオフィス・ギャラリー・ショップといった公共性の高い場を自ら運営するのは、今回が初めての経験です。

デザインと機能性のバランスを実感したり、想定外の使い方が生まれる面白さに出会えたり、直接「素敵ですね」と声をかけてもらえる喜びがあったり。
日々の運営の中には、デザインを通じて人と人がつながっていく、その過程が見える瞬間がたくさんあり、なんとも言えない面白さがあります。

セレクトのこと、これからのこと

最近よく聞かれるのが「商品は入れ替わるんですか?」というご質問。
私たちは、ただ“もの”を仕入れて並べているのではなく、作り手さんに実際にお会いして、その想いを丁寧に受け取った上で、「この場所で伝えたい」と思えるものだけを扱っています。
だからこそ、頻繁に商品を入れ替える予定はありません。

とはいえ、ご近所の方にも繰り返し訪れていただけるお店でありたい。
“売れるもの”に振り切るのではなく、KURUTOらしい視点はそのままに、日々にちいさな発見や刺激があるような店づくりをしていけたらと思っています。

 フジマル醸造所さんの畑へ

オープニングイベントがひと段落した頃、KURUTO(store)でも取り扱っている「フジマル醸造所」さんのブドウ収穫ボランティアに参加してきました。
大阪・柏原の畑に早朝集合し、腰をかがめてブドウを一房ずつ丁寧に摘み取っていきます。

収穫のあとは「選果」という工程も。用途に応じてブドウを選別し、仕分けていくこの作業は、想像以上に根気と集中力が必要でした。

そんなふうに、ひとつひとつの過程を知ったうえでいただくワインは、どこか身体に染みわたるような優しさがあって。
この時のことは、またnoteでもご紹介できればと思っています。

始まったばかりのKURUTO。
まだまだ手探りなことばかりで、日々悩んだり、立ち止まったりもしながら、少しずつこの場所を育てている最中です。

でも、その中で確かに感じるのは、仲間と共に動いた時間や、訪れてくださった方とのやりとりのひとつひとつが、KURUTOらしさを少しずつ形づくってくれているということです。

焦らず、無理せず、けれど大切なことは見失わずに。
これからも、自分たちらしく、丁寧に続けていけたらと思っています。

ゆっくりと歩み始めたこの場所を、これからも温かく見守っていただけるとうれしいです。

これまでの経緯は、過去の月報をご覧ください。
#00 場の運営事業にチャレンジします!
#01 工事中のKURUTOにて忘年会を開催しました!
#02 KURUTOのオープンが1ヶ月先延ばしになりました。
#03 KURUTO(store)ってどんなお店?
#04 KURUTOのデザインとコンセプト
#05 ロゴの完成と、ポップアップのお知らせ
#06 はじめてのポップアップと、工事が始まった5月のこと。
#07 展示がはじまり、人が集い、オープンが近づいた6月のこと。
#08 場の準備が整いつつある7月のこと。

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