場の構想から実現まで伴走する設計事務所KURUでは、この度事務所の隣にあるテナントをお借りして、新たに場の運営事業に挑戦することになりました。

これまでの経緯は、過去の月報をご覧ください。
#00 場の運営事業にチャレンジします!
#01 工事中のKURUTOにて忘年会を開催しました!
JOURNALでは、オープンまでの道のりや計画の進捗状況を、毎月一度の月報形式でお届けします。
ぜひ、お楽しみください。
今月のトピック
・オープンを1ヶ月先延ばしにする決断をしました
・私たちのギャラリーは、ギャラリーなのか
・KURUTOのシェアオフィスで働くことの価値
オープンを1ヶ月先延ばしにする決断をしました
12月の最終出勤日に開かれた社内メンバーだけの忘年会が、今回の出来事の始まりでした。
私たちは普段から、事務所に人を招いてのパーティや、建築雑誌を読んで感想を語り合う「タコ会」など、メンバー同士がコミュニケーションを取る場を大切にしています。でも、実は社員だけで外食する機会はあまりありません。そこで、会社近くの「西長堀すずき」さんを訪れ、美味しい料理とお酒を楽しむ時間を過ごしました。
その席での話題は、やはりKURUTOのこと。
特に、内装デザインについての議論が中心でした。「どんなデザインを表現すべきか」「私たちがつくるデザインはこれでいいのか」「新しいKURUとしての創造性をどのように反映させるべきか」など、意見が飛び交いました。
おそらく、スケジュールを優先して納得がいかないまま進めることへの違和感を、みんながどこかで感じていたのだと思います。ただ、その場で結論が出ることはなく、話し合いは年をまたぐ形に。
そして迎えた新年1月6日。初出社日の打ち合わせで、CEO水谷から出た言葉は、「自社事業だからこそ、今ここで一度1から考え直そう」というものでした。
その結果、KURUTOのデザインチームに新たなメンバーを加え、これまでのデザインを基盤にしつつ、「本当にこれで良いのか」を改めて考えることになりました。これに伴い、当初目標にしていた4月上旬のオープンを延期し、5月中旬のゴールデンウィーク明けを目指すことに。

もちろん、今月から発生する家賃のことを考えれば、オープンの延期は会社にとって損失であり、簡単に決められることではありません。
それでも、私たちは場づくりを生業とする会社だからこそ、「本当に良い」と確信を持ってKURUTOを世に送り出せるよう、このタイミングで一度立ち止まることを選びました。
KURUTOは、KURUがさまざまな方とコラボレーションするきっかけとなる場所であり、これからのKURUの思想を体現する場でもあります。
では、それにふさわしい空間とは、どんな場所なのか。
まだ決まっていないことが多く、未来への余白を残しておきたいという思いがある中で、それでもデザインを決めなければならない、その難しさを痛感しています。
だからこそ、「1ヶ月延期してよかった」と心から思えるように。
さらに良い案へとブラッシュアップしながら、一歩ずつ、確実に前へ進んでいます。
私たちのギャラリーは、ギャラリーなのか
図面上で「SPACE」と示されているこの空間。
社内ではこれまで「ギャラリー」と呼んでいました。アーティストの方を招いて展示をする用途も考えていたので、「ギャラリー」という名前は決して間違いではありません。でも、人によって「ギャラリー」という言葉の受け取り方が違うことに気づきました。そのせいか、名前によって私たちの考えが少し固定されてしまっている感覚があったのです。
たとえば、「ギャラリーだから白い壁は必要だよね」というように。
でも、実際にはこの空間で行うのは展示だけではありません。STOREの商品を使ったポップアップイベントやKURU JAMのような社内イベント、地域向けのマルシェやパーティなど、多種多様な使い方が想定されています。
そこで改めて、この空間の本当の価値を考えてみました。
KURUTOの「余白」ともいえるこの場所の価値は、「コラボレーション」にあるのではないか、と。
ここはただの白い箱ではなく、KURUの美意識が詰まった空間。
展示やイベントを行う人たちがこの空間に触れることで、新たな表現が生まれるかもしれません。また、この場所だからこそ、「こんなことがしたい」と新しいアイデアが湧いてくるかもしれません。
ソフトコンテンツとしても、STOREの商品を組み合わせたポップアップイベントを開催したり、KURUが設計した空間に共感してくださるアーティストと展示を企画したり、一緒に新しい切り口を考えたり。
ただの「場所貸し」ではなく、コラボレーションの場であり、使う内容によってさまざまに形を変える空間です。
その結果、「もう、名前がない方がいいのでは?」という結論に至りました。
この場所の名前は KURUTO( )。中で起きることによってギャラリーになったり、イベントスペースになったり、お教室になったり…。カッコの中に何を入れるかは、使う人の自由な想像に委ねることにしました。

ただ、こうして文章を書いていると、名前がない不便さもひしひしと感じています(笑)。
KURUTO( )を使っていただける方を募集しています。
ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください!
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KURUTOのシェアオフィスで働くことの意味
現在入居者を募集しているKURUTOのシェアオフィスですが、条件面だけで見れば、他のシェアオフィスと比べてコストパフォーマンスが抜群に良いわけではありません。
それでも、ひとりでデザインや場づくりに取り組んでいる方にとって、この場所は条件以上の価値を提供できるのではないかと考えています。今日はそのお話を少しさせていただければと思います。

KURUには「業務委託」という雇用形態があり、正社員とは異なる形で、設計士をはじめ、不動産やブランディングのプロフェッショナル、広報や企画に長けた人など、多様なメンバーが関わっています。
業務委託の特徴は、単発的なプロジェクト関与にとどまらず、月1回の「全体ミーティング」や半年ごとの「経営報告会」に参加し、KURUの目指す方向性を共有しながらともに歩む準社員のような存在であることです。
今回のKURUTOシェアオフィスは、業務委託とも少し異なり、KURUという場の中に物理的に拠点を持ち、KURUメンバーと深く関わり合える新しい形の場づくりだと考えています。
KURUメンバーとのデザイン議論や、STOREに訪れる方々から直接意見を聞くことができる場、さらにはKURUTO( )で自身の考えを発表する機会も。
一般的なシェアオフィスよりも、もう少し人との距離が近く、ひとりで何かを作るだけでは届かない、新たな可能性やアイデアを得られる場所にしたいと考えています。
もちろん、シェアオフィスに入居いただいた方が業務委託メンバーとして活動してくださるようになれば、私たちにとってもとても嬉しいことです。
今月の水谷のnoteでもシェアオフィスについてお話ししておりますので、
ご興味のある方はぜひご覧ください。→設計事務所が共に成長する場所を作る
シェアオフィスの募集詳細はこちら。
少しでもご興味を持っていただけた方、まずはお話だけでも結構です。ぜひお気軽にご連絡ください!
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