2026年11月14日(土)から28日まで、
KURUTO( )にて、画家・北林みなみさんの個展を開催します。
絵画のみにとどまらず、染めものや粘土・陶芸などの立体作品、壁画やボディーペイントなど
さまざまな表現で制作活動をされている北林みなみさん。
「つくること」 「手を動かす時間」が好きなんです、話す声はとても楽しそうで、ものをつくることへの純粋な思いが伝わってきました。
今回の展示も、たくさんの作品が並び
北林さんのつくる世界を存分に感じていただけると思います。
展示に先立ち、生い立ちや制作のこと、作品についてお話をうかがいました。
ー幼少期を東南アジアで過ごされた、とプロフィールにありますが。
幼稚園はタイに、小学生の途中までシンガポールに住んでいました。
日本に戻ってからは、いわゆるニュータウンで暮らしていたので、身近にあったのは整備された自然でした。
私にとって森といえば、南国の植物や自然が身近な存在で、そうした幼少期の記憶は、現在の作風にも影響を与えていると思います。

ー絵を描きはじめた”きっかけ“はありますか?
思い出せないくらい昔から、絵を描くことは好きだった記憶はあるんですが、きっかけというほどのことはなくて……。
小学生のころから、絵を褒められることはちょこちょこあって。いわゆる「絵が上手な子」ほど目立っていたわけではないけれど、「え、あなたもうまいじゃん」くらいの位置にいて。
卒業アルバムで、担任の先生が、他にも絵が上手い子はいるのに、なぜか私に「わたしの似顔絵を描いて!」と頼んでくれたんです。
それがうれしかったし、自分の絵を認めてもらえたような気がしたことは、すごく覚えています。
ーご自身の作風を見つけるきっかけは、何だったのでしょうか?
大学で「自分のルーツをたどる」という課題があって。
それまで受験の実技に向けて、デッサンや油絵を通して、目の前にあるものから魅力を見つけ、どうにか美しく描くという訓練を毎日していました。
ところが、大学に入るといきなり「自分の表現とは?」と問われて。何をしたいんだろう?ってもやもや悩んでいました。
そんなとき、この課題をきっかけに、東南アジアで育ったこと、一人遊びのことを思い出したんですね。
これって絵と関係なく、自分の中で重要な記憶だなと思って、それを作品にしてみようと思ったのがきっかけです。
それで森とプール、浮かぶリカちゃん人形を描きました。それが自分の中でしっくりきて。
そこから、もうちょっとこの絵を描きたいなって思ってからずっと描いてます。

ー影響を受けた作家はいらっしゃいますか?
いろんなものから影響は受けているんですが、デイヴィッド・ホックニーやアンリ・ルソーは絵を見てくれる方からもよく言われます。そして、まさに影響受けてます。
「どこが好きなんだろう?」って考えたとき、色づかいや描いているモチーフに共感すると同時に、真摯に絵を描き続けた彼らの生き方そのものに憧れているんだな、と気がつきました。
自分もそんな道をたどれたらかっこいいな、と思っています。
ー陶芸作品はいつから作りはじめましたか?
2回目の個展からなので、4年くらい前ですかね。
もともと興味はあって。粘土作品は作っていたんです。そこから、もう少し耐久性のあるものにしたいな、と思ったのがきっかけです。
地元の方が運営している陶芸教室に大きな窯があって、結構自由に使えたんです。分からないところは、教えていただきながら作っていました。
ー絵画と陶芸ってちがいますか?
絵画は最後まで面倒を見られる感じがあります。自分の好きなように、最後まで手を加えられる余白というか余地があります。
陶芸は、窯に入れている間は触れないので出てくるまで答えが分からなくて。心が折れるときもあるんですが、うまくいったときの喜びはすごいです。
絵は、自分の想像を的確に目の前に立ち上がらせることができることに対し、陶芸は自然や自分ではコントロールできない力のおかげで、思いもしなかった色や形になることがあって。そこがとても魅力的です。

ー色というワードがでてきましたが、北林さんの絵は色がとてもたくさん使われていますね。
「よく見るといろんな色がある」っていうのは、自分の中のひとつのテーマです。
森も、同じ緑に見えても、いろんな植物や色があるけれど、遠くから見たら「みどり」みたいな。絵の中でも、そういうことを表現したいな、と常日頃思っています。
ー今後、やってみたいことはありますか?
大きい絵は、タイミングがあれば描きたいといつも思っています。
例えば、病院や図書館のような、人が訪れてゆっくり過ごす場所に飾ってもらえるような絵を描けたらいいな、と目標にしています。
それから、ワークショップなどを通して絵を描く楽しさを伝える活動も続けていきたいな、と思っています。

―今回の展示についての思いをお聞かせください。
世界の広さや、自分のちっぽけさや無力さを感じる出来事に直面することが増えました。
この広く、混沌とした世界で、自分や自分に似た小さな生き物たちの居場所について考えてみたいと思い、今回の展示のテーマを決めました。
KURUTOさんの展示空間はとても大きく、自分の大きな作品と、小さな作品を同居させることができる良い機会だと思い、様々なサイズの作品を展示しようと考えています。
ぜひ、お越しいただけると嬉しいです。
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北林さんの描く絵からは、やわらかく穏やかな印象を受けます。
けれど、お話しをうかがうなかで、その印象とはまた違う、描くことに真摯に向き合い、ストイックに描き続ける姿が見えてきました。
だからこそ、見る人に優しく寄り添うような、素敵な作品が生まれるのだと感じました。
北林さんが生み出す作品の数々を、ぜひ会場でご覧いただけたら嬉しいです。
11月21日(土)・22日(日)はワークショップも開催予定です。詳細決まり次第、またこちらでもお知らせさせていただきます。
北林みなみ個展

ちいさきもののための部屋
A Room for Small Things
あなたのことが大切だ
この星に生きる たくさんの あなた
あなたは 歩き 食べ 眠る
晴れた日は 日差しの中を飛び跳ねる
雨の日は ひそかに歌を 口ずさむ
ときどき 物語を作る
誰かと話したり 手を繋いだりする あなた
ひとりで 川原の小石を拾う あなた
ここではない どこかへ行く あなた
たくさんの あなたへ
ここは ちいさきもののための 部屋
あなたの 深い 呼吸の音が
わたしを 安心させる
詳細
会期:2026年11月14日(土)~28日(土)13:00~19:00
会場:KURUTO( )
住所:大阪府大阪市西区南堀江4-25-D-103
Osaka Metroドーム前千代崎駅より徒歩7分
大阪環状線 大正駅より徒歩12分
※会期中の営業日・在廊日など、最新情報はKURUTO( )の公式SNSにてお知らせします。