後編は少し場所を変えて、大阪市西区にある正福寺さんへ。
江戸時代から続くこのお寺では豊田さんと画家兼サーファーでもある豊田さんの父、弘治さんとの共作である襖絵を見ることができます。
襖絵の依頼人でもある、32代目住職の知隆さんに豊田さん親子や出来上がった作品に対する想いを伺いました。

ー豊田さん親子に襖絵を依頼されたきっかけ
お寺っていうのはどうしても死後のっていう風に思われがちなのですが、私は亡くなられた方とおうちの方をつなげるただ一つのエッセンスに僧侶としてなりたいというのもありまして。また、生きることを特に充実させてほしいという考えがあります。
弘大君もそうですが、お父様も生きることに向き合ってられて、心が楽しく笑ってられるような状況にできたらなというコンセプトで、私も共感させていただいて、半ば無茶振りでしたけど。

ー襖絵について
『人生波あり、谷あり』。サーファーはよく波を人生に表したりするんですが、物語では希望を持って誰もが生まれてきて、いいことも悪いこともありながら、いろんな人生がある。
この絵は物語になっていて、パートナーと出会い、家族を持ったんだけども、人は一人で 死を迎えていく。
亡くなったら終わりのように思うけども、魂なるものは回っていて形を変えて繋がっているというような意味合いがあると。弘大くんの星の絵の話を聞いたときにすごくいいと思ったのが、 もともとはとんがった星をイメージして描いていて、でもある時から自分の心のとんがりをなくして、スッと自分の中で心が解き放たれてこの角のない星を描くようになったということ。
地球の絵は、どうしても人は人と比べたりしがちだけども、悪い意味ではない自分中心で、自分で自分のことを愛しながら自分の道を歩んだらいいんじゃないかというような。
(豊田さん)この襖絵の構図はすぐ決まりましたよ。親子でということでご依頼を受けた時に、多分僕が星空描いて父が海を描くんだろうなって思いました。

星空の中には大きな大きな地球
ーお寺に来られた方はどんな反応をされているか、またこの空間を通して伝えたいこと
来た方がおっしゃるのが、ここに来た時の自分の精神状態で見え方や感じ方がちょっと違うということ。 ここに来て絵に触れるごとに、自分の心を見つめる一つのきっかけになられてるみたいで。絵にあんまり興味なかったけど、ここをきっかけにデジタルじゃなくてリアルを見たくなったとかもおっしゃいます。
結構襖絵って何かを訴えかけられているようで見ていてしんどくなったり、なんとか風とか昔のものをプリントするとか・・
でもいくら真似しようが本物には勝てないっていうのがあったので、お二人のリアルをここに記してもらえたっていうのは、すごくありがたいことだなと思っています。
私たちは心がしんどい時、弱ってる時こそ頑張らなあかんと思ったりしてしまいます。 でも弱ってる時は休まないと。
その代わり、元気なときは自分の中で頑張ること。そういうのをみんなが気づいていけば、ハッピーな世界になっていくんじゃないかなというのを伝えたいし、私はこの僧侶という立場で、今少しでも微力でも伝える。 弘大君はそれを絵の世界で伝える。
やってることが全く違うようやけど、実は共通してて、みんなそういうところで共通してるんかなって思ったりもしますけどもね。


Kota Toyoda Solo Exhibition「 THE ARCHIVE FESTIVAL」

詳細
日時:2026年6月12日(金)~24日(水)13:00~19:00
場所:会場:KURUTO( )
住所:大阪府大阪市西区南堀江4-25-D-103
Osaka Metroドーム前千代崎駅より徒歩7分
大阪環状線 大正駅より徒歩12分

Kota Toyoda | 豊田 弘大
1991年大阪生まれ。
15歳のある日、岡本太郎が夢に出てきたことをきっかけに作品を描き始める。
2017年、Nepenthes New Yorkで初の海外個展『Home At Last』を開催。
2020年、東京 BEAMS B GALLERYで個展『STAR CHILD』を開催。
昨年は大阪 dieci kyutaroで絵画とオブジェの個展『DEEP DEEP HEART』を開催し、高知ではアンパンマン作者 やなせたかしの故郷『星のまち』で子供向けワークショップを開催するなど活動の幅を広げている。
また、VANS ART EXHIBITIONへの参加、無印良品でのカスタムペイントや世界遺産の高野山での展示など、自由な表現を軸に作品を創り続けている。