KURUTO( )では、5月よりアーティストによる展示がはじまります。
ギャラリーとしての経験がない中で、アーティストの皆さんに展示のいろはを教えていただきながら、ようやくここまでたどり着きました。
5月16日(土)~30日(土)まで、展示をしてくださるのは、風景や自然を、感じたままにすくい取るように描く、岩瀬ゆかさんです。アクリル絵の具で描かれるその作品は、やわらかな色合いの重なりと、どこかで触れた風景の気配を感じさせます。
大きな作品を中心に構成される今回の展示は、これまでこの場で行われてきた賑わいのあるイベントとは少し異なり、静けさの中でゆっくりと作品と向き合う時間になりそうです。
作品は、はじめからカタチが決まっているわけではなく、そのときの気持ちや環境の中で、少しずつ立ち上がっていくもの。
今回はそんな制作のことや、展示に込めた思いについてお話を伺いました。
――まず、岩瀬さんご自身について教えてください。
2006年から、関西を中心に個展を続けています。
普段はアトリエで制作しているんですが、対面で話しながらその場で描いたり、音楽や身体表現と交わるようなライブペイントもやっていて、コミュニケーションを含めた作品づくりも大事にしています。カバンやスマートフォンのケースなど、描けるものには何でも描いてきました。
これまでだと、大阪ではGULIGULIやSHELF、東京ではmaduなどでの展示経験があります。
コミッションワークとしては、MOTOcoffee北浜店やSAKAINOMA HOTEL、高根台病院、マンションのエントランスアート、山崎実業のショールームなどにも関わらせてもらっています。

――今回の展示について、どんなイメージを思い描いていますか。
これまでの展示をしてきた場所よりも空間が広いので、大きな絵をしっかり見せられたらと思っています。真ん中が少し空くような構成も、作品次第ではいいなと思っていて。がらんとしている感じも含めて、空間として成り立つといいなと考えています。
――KURUTO( )の空間には、どんな印象を持たれましたか。
これまで展示してきた場所と比べると、一番無機質な空間かもしれないなと感じました。冷たくて、ピシッとした、少し緊張感のある空間だなと思っています。だからこそ、ちょっとストイックに向き合えたらいいなと思っています。自分の足音が気になるくらいの静けさの中で、見てもらえたら嬉しいな。


――今回の展示のタイトル、「島水花空」にはどんな意味が込められているのでしょうか。
2026年4月に、このタイトルで作品集を発売するんですね。広島では出版イベントがあるのですが、大阪ではここでの展示がお披露目の場になると思っていて。
私の作品には6種類ぐらいシリーズがあるんですけど、作品集に収録するのはそのうちの3つの種類だけなので、それ以外のシリーズも展示で見てもらえたらなと思っています。

あと、今回、出版に携わってくださったBOOKLORE(ブックロア)の中島恵雄さん、グラフィックデザイナーの角谷慶さんとのトークイベントも予定しているので、ぜひ来ていただきたいですね。これから本を出版したいと思っている方にも、私の事例を通して何かお届けできたらと思っています。

(右)出版社BOOKLORE(ブックロア)中島恵雄さん、(左)デザインオフィス「Su-」⻆谷慶さん
――DMもこだわって作ってくださいました。
イベントが終わった後も大切にしてもらえるようなDMを作成したいと思って、角谷さんに相談しました。印刷物を作ることにもだんだん慎重になってきていて。展示の情報を記載した紙はしおりとしても使用していただけたらうれしいです。

――作品はどのように生まれていくのでしょうか。
これをこう描こうと決めていることはあまりなくて、そのときの感覚で色を重ねていくことが多いです。たとえば“寒い感じ”を描こうと思って、寒い色をつくるじゃないですか。でもそれが、つらい寒さなのか、爽やかな寒さなのかで変わってくる。そのあたりを心と体に聞きながら描いていくというか。描いていくうちに、色が増えたり、季節が出てきたりすることもありますね。

――展示に来られる方には、どんなふうに楽しんでほしいですか。
私の絵は、人によって色が綺麗とか、なんかどこどこみたいとか、そういう、ちょっと自分に当てはめて見れるような絵だと思うんです。そういう素直な感想みたいなことを大事にしてもらいたいですね。
対面制作をすると、そういう話も、「あれ、〇〇みたいだと思いました」とか、ちょっと話せたりするので、それも楽しみです。
静かな空間の中で、ふと立ち上がる風景。
それはきっと、作品の中にあるものだけでなく、見る人それぞれの記憶や感覚と重なりながら、ゆっくりとひらいていくものなのかもしれません。
皆さんが何を思い、どんな感情になるのか。私たちも、その時をとても楽しみにしています。
岩瀬ゆか 個展 「島水花空」

水平線とその向こうの島
遠くから見ると塊のように見える山
一見止まっているようにも見える風景
でもよく見ると絶えず動き続けている
私も、そのまわりも、はかり知れないこの世界全て
遠い場所を見るとき、同じ風景を見ていても、人によって見えるものは違っているように思う
目の前の景色の奥に、私は何を見るのだろう
隣の人には何が見えているのだろう
詳細
日時:2026年5月16日(土)~30日(土)13:00~19:00 ※5月17日(日)はお休みです。
場所:KURUTO( )
住所:大阪府大阪市西区南堀江4-25-D-103
Osaka Metroドーム前千代崎駅より徒歩7分/大阪環状線大正駅より徒歩12分
《期間中作家在廊時にon order(対面制作)を開催》
対面しお話を交えながらイメージをその場で絵にします。
カード¥3000 | 所要時間15分程度
お持ち込みの私物にもペイントできます。サイズにより料金ご相談。
※紙やキャンバスへのペイントはお受けできません。ご了承ください。
※在廊日は追ってお知らせいたします。
岩瀬ゆか 作品集『島水花空』出版記念トーク
岩瀬ゆか×中島恵雄×⻆谷 慶

岩瀬さんは2026年4月に今回の展示タイトルでもある作品集「島水花空」を出版されました。
今回は、大阪での初のお披露目として、出版記念トークを行います。
当日は、岩瀬ゆかさんに加え、作品集の編集を手がけたBOOKLORE(ブックロア)の中島恵雄さん、デザイン・撮影を担当されたデザインオフィス「Su-」の角谷慶さんをゲストにお迎えします。
この作品集がどのように生まれたのか。
それぞれの立場からどのように関わり、どんな対話が重ねられてきたのか。
制作の裏側にある関係性や、ひとつのかたちに結実するまでのプロセスについて、お話をうかがいます。
作品だけでなく、その背景にある思考や関係性にも触れられる機会です。
ぜひご参加ください。
日時:2026年 5月23日 (土) 15:00~16:00
場所:KURUTO( )
トーク:岩瀬ゆか×中島恵雄(編集:出版社BOOKLORE(ブックロア))×角谷慶慶(デザイン、撮影:Su-)
トークの詳細、ご予約はこちらから
岩瀬ゆかプロフィール

岩瀬ゆか
2006年より関西を中心に個展を開催。
アトリエでの制作に加え、対面制作や、音楽や身体表現と交わるライブペイントなど、コミュニケーションを交えた作品づくりも積極的に行う。
■展覧会
2024.6 GULIGULI(大阪)、2024.12 SHELF(大阪)、2025.3 madu(東京)etc
■コミッションワーク
MOTOcoffee北浜店、SAKAINOMA HOTEL、高根台病院、マンションエントランスアート、山崎実業ショールーム、etc
■作品集
2018「through」
2026.4「島水花空」
風景や自然を、感じたままにすくい取るように描く岩瀬さんの絵。
その時々の感情や、描く季節によっても表情を変え、同じモチーフでも異なる表現がでてくるそう。
これからこの場所にどんな景色が立ち上がるのか。
岩瀬さんの絵を見て、何を思い、どんな感情になるのか。
私たちも、その時をとても楽しみにしています。