神戸市の新港エリアの事業の一環を担うアリーナ事業。そのVIPエリアの設計です。
神戸の土地の持つ多様性の文化を反映し「新しい価値のラグジュアリー」と「多目的エンターテーメント空間」の交わりによる、そこでしか体験できない空間を目指しています。従来のラグジュアリーが持つ高級感という既成の価値感を超え、精神的な豊かさ、共感、体験の創造を重視した空間です。神戸という土地は、どこにいても海・山・街の連続性を体感できるという地形的魅力と新しい文化や価値観を受け入れながら育まれた独自文化が魅力の土地です。その文脈を空間構成に落とし込むことで、VIPエリアにも神戸の土地の持つ魅力が感じられる空間としています。
フロアの南側（海側）から西側（街）、そして北側（山側）のエリアを、壁・天井の形状やマテリアルにそれぞれを象徴する表現で構成し、そのことで空間全体に土地が持つ動的な流れと一体感を映しとっています。VIPエリアはスポーツ観戦、音楽興行、ビジネス交流など多様な用途に対応する柔軟性と利用者の意識変容を促すショーケースとしての特別感を兼ね備え、土地性、歴史、未来志向を融合した「体験としてのラグジュアリー」を実現し、人々に新たな価値を提供する空間です。