本連載では、KURUのVISION・VALUEについて深掘りし、KURUという会社の考え方や働き方をより多くの方に知っていただく機会となればと思っています。
VISION
あなたの場と想いをデザインの力で長く愛されるカタチにする
VALUE
1. 本質を捉える
2. チームでつくる
3. チャレンジし続ける
4. 熱中する
5. フェアに関わる
これまでビジョンと、「本質を捉える」、「チームでつくる」、「チャレンジし続ける」、「熱中する」という4つのバリューについてメンバーにインタビューを行ってきました。
今回は、最後のバリューである「フェアに関わる」について掘り下げます。
設計責任者の尾芝さんとメンバーの笹江さん、パートナーの松村さんに「フェア」をどう捉えているのか、日々の実務やプロジェクトでどんなときにフェアを意識しているのかを語ってもらいました。
目次
1. フェアであることは、信頼関係を築くこと
2.少しずつ変化する建築業界と、KURUの姿勢
3. これからのあるべき姿とは
4. 独立も応援する、長く続く関係のために
フェアであることは、信頼関係を築くこと
──皆さんは日々、バリューである「フェアに関わる」をどのように意識していますか?
(尾芝)クライアントだけではなく、工務店や一緒に仕事するパートナーに対しても、距離感や雰囲気、そして「相手がどう思っているか」を察知しよう、フェアであろうと日頃から心がけています。自分が正しいと思っていても、相手がそうでないのであれば伝え方を変えることもありますね。ただ、その上で「これは言うべきだ」と思ったことはきちんと伝える。その関係性ができているかが、良い建物を建てるためには重要だと思っています。
(松村)建物は建てて終わりではないですからね。その後のメンテナンスのことも考えると、工務店や職人さんとの関係性が築けていて、何かあった時に快く動いていただける環境があるということは、私達にとっても、クライアントにとっても絶対にプラスなことなんです。
(笹江)私は相互理解が深められるように、プロジェクトの目的を明確にしたり、関わるみんなで情報を共有できるように心がけています。こうした積み重ねが、フェアな関係性につながっていると思います。

(尾芝)関係性ができていると、何か問題が起きた時でもスムーズに話し合えるし、みんなが納得しながら進めていけるんですよね。竣工した時に「このプロジェクトやってよかった」っていう空気感になれるのは、そうした関係性が築けているからこそだと思います。
少しずつ変化する建築業界と、KURUの姿勢
──建築業界には「フェアに関わる」という考え方が浸透してきているのでしょうか?
(松村)昔は発注者と受注者というピラミッドのような関係性がありましたね。私が学生だった時は、工務店が最終的に泣くなんてことはよくある話でした。そういう時代を見てきたからこそ、自分たちの時代ではそうはしたくないなという想いは私自身にもあります。
──パートナーという立場から見て、KURUはフェアな会社であると思いますか?
(松村)時代の流れではあるものの、フェアであろうということを目標に掲げ、それをちゃんと実践できている事務所は、そう多くはないと思っています。パートナーとして関わらせてもらっている中で、KURUは光佑くんや尾芝くんを筆頭にフェアであることを意識できているからこそ、みんなが納得して良いものを作ろうという、良い方向に進んでいる気がしますね。

──どういう場面でそれを感じますか?
(松村)パートナーに対しても、経営報告会で売上などの詳細まで公開してくれることには最初驚きました。なかなかできることじゃないですよ。その他にも、共同設計者として、クライアントや工務店との打ち合わせにも同行してメンバーと同じ立ち位置で関わらせてもらったり、社内の勉強会にも参加させてもらったり。深く関わっているからこそ、もっともっと良い会社になってほしいと思っています。長く関わっていきたいなと思えるのは、そういう部分でも刺激を受けているからなのかもしれません。
(尾芝)そういう風に思ってもらえるのは嬉しいことですね。最初の頃はパートナーなのに、そこまでしてもらうの?その仕事を任せるの?という雰囲気は社内にあったと思います。でもフェアであろう、パートナーも含めてKURUだということを言い続けてきたことが、会社を少しずつ変化させてきたのかもしれませんね。
これからのあるべき姿とは
──「フェアに関わる」をバリューとして掲げている企業として、これからKURUはどうあるべきなのでしょうか。
(笹江)プロジェクトを進める上で、クライアントをはじめとする外部の方々とも良い関係を築こう、フェアであろうという姿勢は、今のメンバーには根付いてきていると思っています。次のステップとしては、メンバーがもっとお金を意識するべきだと感じています。
──具体的にどういうことですか?
(笹江)いただく設計料、かかる原価がいくらで、手元に残るお金がいくらあるとか。そういうお金のことをもっと理解することで、クライアントや関係者の方々とお食事に行って関係性を作るなんてことも、メンバーでもできるようになるといいなと思います。
(尾芝)打合せ以外の時間を共にすることで、クライアントが考えていることを深く理解できるということもあると思います。クライアントにも建築を好きになっていってもらい、チームとして息が合ってくると、より良い提案ができるようにもなりますし、よい良いプロジェクトになりますよね。お金のことを理解するためには、プロジェクトの担当者が自ら契約書や請求書を作るということも必要かもしれませんね。
(松村)笹江くんは2年ほど前にKURU初のチーフという役職がついたわけですが、チーフになってから意識したことなど気持ちの変化はありましたか?
(笹江)いえ、チーフになったからということはないですね…。KURUでの経験が長いということもありますが、それまでもメンバーを気にかけてはきたつもりです。
(尾芝)チーフという役職を作ろうとなった時に、笹江しかいないなと思いました。チーフになってからはできるだけ業務は任せるようにしています。笹江がプロジェクト全体を見ながらメンバーを動かすという流れも少しずつできつつあるのではないでしょうか。

独立も応援する、長く続く関係のために
(尾芝)私はメンバーとは長く一緒に仕事をしたいなと思う一方、一度は独立してほしいなとも思っています。

(松村)独立してパートナーになるケースも出てきましたもんね。独立を応援している、というところも事務所としてフェアなのではないでしょうか。
(尾芝)経営報告会でリアルな数字を見せることだって、メンバーが独立した時のことを考えると後々役立つ知識や感覚の共有ですよね。KURUにいる間にいろんな勉強をしてほしいし、今しかできない経験をたくさんしてほしい。こちらでカバーはするから、「小さな失敗はしたらええねん!」という気持ちでいます。
(笹江)新しい方が入ってきたときにも、「フェアに関わる」というバリューが正しく伝わる雰囲気ができるといいですね。
「フェア」という言葉は、一見すると「平等であること」とも受け取られがちですが、KURUが目指すフェアさは、もっと人と人との関係性の中にあるものです。
お互いが信頼し合いながら、まっすぐに向き合える関係性。これこそがKURUが考えるフェアさの本質です。
信頼関係を築くことは決して簡単なことではありません。
これまで長い年月をかけ多くのクライアントや関係者の皆さまと積み重ねてきた関係性も大切にしながら、KURUはこれからも「フェアに関わる」という姿勢で、良いものづくりを続けていきます。
これまで全8回に渡りKURUのビジョン、バリューについてCEO水谷へのインタビュー、メンバー、パートナーへのインタビューをお届けしてきました。
今回のインタビュー企画を通して、一人ひとりが組織の一員としてバリューをどう捉え、どう体現しようとしているのか、その過程にある葛藤や工夫、想いの断片を垣間見ることができたこと、それを社内でも共有できたことはとても貴重な時間でした。
これからも、KURUは皆さまと共に、ビジョンとバリューを大切にしながら、丁寧に、まっすぐに、良いものづくりを続けていきます。
最後までご覧いただき、本当にありがとうございました。
今回メンバー、パートナーに実施したアンケートの結果がこちら!
