2026年1月16日(金)、KURUTO( )にて行われたKURU JAMトークイベント。
今回は、暮らしにまつわるさまざまな要素をものづくりから考え実践するクリエイティブユニット、graf(以下:グラフ)代表の服部滋樹さんをゲストにお迎えしました。
トークテーマは「grafのビジネスを解剖する」。
グラフは、大阪を拠点に家具の製造・販売、スペースデザイン、プロダクトデザイン、ブランディングデザイン、グラフィックデザイン、コミュニティデザイン。さらにはカフェの運営や、食・音楽のイベント運営まで幅広い領域で活動されているクリエイティブユニットです。大阪・中之島にある「graf studio」を訪れたことがある方も多いのではないでしょうか。
さまざまな場面で登壇されている服部さんですが、今回はあえて服部さんのビジネス的な視点に着目してトークが展開されました。
今回は、印象的だった2つの言葉をピックアップしてご紹介します。
ブランディング=『 物語 』
服部さんから最初に投げかけられた質問は「ブランディングを漢字二文字で表すと?」という問いでした。
その答えは、「物語」。“物を語る”と書いて、物語です。
かつては、物そのものが背景を語っていた時代があったといいます。誰が関わり、どんな工程を経てつくられているのか。その文脈が共有されていたからこそ、価格にも価値にも自然と納得が生まれていました。
しかし今は、工程も背景も見えにくい。だからこそ「物語」が必要になる。ただし、それは後から装飾として物語を足すのではなく、最初から物語が設計されているかどうか。
その設計があるかどうかで、ブランドの強度は決まる。そう服部さんはおっしゃっていました。

社会にとって本当に良いことをしているか
もう一つ、強く印象に残ったのは、こんな言葉でした。
「社会にとって本当に良いことをしているか」
デザインとは、見た目を整えることでも、コミュニケーションを洗練させることでもない。その事業が社会の中でどんな役割を果たしているのか。そこに踏み込まなければ、本質的なデザインにはならない、と服部さんはおっしゃっていました。
だからこそ、スタッフの方々には「PLとBSを読めるようになれ」と伝えているそうです。デザイナーも建築家も、財務を理解すること。どこに投資をするのか、どこに重心を置くのか、何をやめるのか。そこまで考えてはじめて、デザインは“装飾”ではなく“戦略”になる。
相談を受けたときも、すぐに設計には入らないといいます。本当に今、カタチにするべきなのか。そもそもその事業の構造はどうなっているのか。依頼内容をそのまま受け取るのではなく、問いを一段深くする。「なかったカードを出す」という言葉も、とても印象的でした。

grafのビジネスを解剖して見えてきたのは、領域の広さではなく、構造の強さでした。家具、空間、グラフィック、コミュニティ、カフェ運営と、それぞれがバラバラに存在しているのではなく、しっかりとした軸でつながっているから拡張してもぶれることがない。
また、依頼に応えるだけではなく、前提を揺さぶる。その姿勢には、KURUとしても強く共感する部分がありました。その視点を持ち続けることの大切さを、あらためて考えさせられる時間でもありました。
今後公開予定の映像で、その熱量を体感していただければと思います。楽しみにお待ちくださいね。

服部さん、そして今回ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
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